別展「和歌山の近現代美術の精華」

和歌山県立近代美術館
期間:2021年10月23日(土)~12月19日(日)
休館:月曜日(ただし11月22日(月)は開館し、11月24日(水)は休館します)
開館時間:
▷日本 – 絵画、彫刻、版画、写真

和歌山の近代と現代をめぐる重要作を集めて紹介

海と山に囲まれた自然風土を背景に、独自の歴史と文化を育んできた和歌山県は、今年、誕生150年を迎えます。
この機に際し、「紀の国わかやま文化祭2021」と連携して開催する本展では、館蔵品はもとより国内各地から、和歌山の近代と現代をめぐる重要作を集めて紹介し、和歌山で育まれた文化の魅力を再発見する機会とします。

第1部 観山、龍子から黒川紀章まで

明治期以降の近現代美術史において独自の足跡を残した美術家を、和歌山は数多く輩出してきました。また大正期に和歌山出身の美術家を招集して南紀美術会を創立した徳川頼倫や徳川頼貞、文化学院を開校した新宮出身の西村伊作など、美術家たちがそれぞれの世界を築くために重要な役割を果たした人物がいたことも忘れられません。 
第1部では、和歌山ゆかりの美術家と支援者たち、そして和歌山県立近代美術館を設計した黒川紀章まで、多種多様な作品や資料を一堂に集めて展示します。

第2部 島村逢紅と日本の近代写真

第2部「島村逢紅と日本の近代写真」では、和歌山市出身の写真家・島村逢紅([ほうこう]本名:安三郎/1890–1944)を、初めて本格的に紹介します。
和歌山市の酒造業などを営む家に生まれた逢紅は、若い頃から美術に興味を持ち、中学時代から美術雑誌『みづゑ』に投稿して日本水彩画会会友になるなどの活動を始めました。美術学校進学は、家業を継ぐため断念しますが、しかし絵画とほぼ同時期に始めた写真は、逢紅の生涯にわたる表現活動となりました。
1912(明治45 /大正元)年には、和歌山市にて「木国写友会」を結成して活動を本格化させ、雑誌の公募や展覧会などへの入賞によって次第にその名は全国に知られることになります。
1930年代には、福原信三が設立した「日本写真会」の同人となり、1939(昭和14)年に資生堂ギャラリーで初めての個展を開催、芸術写真から新興写真へと移り変わる時代において、逢紅はその独自の漆黒と階調表現により、福原路草と対比して「路草の白、逢紅の黒」と高く評されました。
本展では、交流のあった同時代を代表する写真家たち、福原信三、福原路草、野島康三、安井仲治、淵上白陽、そして「木国写友会」のメンバーだった島村嫩葉、島村紫陽、江本綾生、また同郷の寺中美一や保田龍門、その出会いのきっかけともなった荻原守衛の作品も展示し、1910年代から40年代までの逢紅の作品約200点、その他の作品約50点により、その足跡を振り返ります。

下村観山《唐茄子畑》1910(明治43)年頃 東京国立近代美術館蔵 *後期展示

川端龍子《南飛図》1931(昭和6)年 和歌山市立博物館蔵

村井正誠《風の中の除幕式》1968(昭和43)年 和歌山県立近代美術館蔵

田中恭吉《失題》1914(大正3)年 和歌山県立近代美術館蔵 *後期展示

石垣栄太郎《街》1925(大正14)年 和歌山県立近代美術館蔵

石垣栄太郎《街》1925(大正14)年 神奈川県立近代美術館蔵

鈴木理策《海と山のあいだ(14, DK-507)》2014(平成26)年 和歌山県立近代美術館蔵

島村逢紅《桜》制作年不詳 東京都写真美術館蔵

島村逢紅《母と子 其一》1934(昭和9)年 個人蔵

島村逢紅《スマイル》1920~30年代 個人蔵

島村逢紅《椿(八)》制作年不詳 東京都写真美術館蔵

島村逢紅《椿》1934(昭和9)年 個人蔵

島村逢紅《鮎》1943(昭和18)年 個人蔵

■和歌山県立近代美術館
〒640-8137 和歌山県和歌山市吹上1-4-14
アクセス: JR和歌山駅または南海電鉄和歌山市駅からバスで約10分「県庁前」下車、徒歩2分
URL:https://www.momaw.jp/